TAMAKI YOSHIDA

0129

Sympathetic Resonance

Category
Art Work
Year
2019
Development
Exhibition

エネルギーとは、力の源であり、熱や光といった形で物理的に現れる一方、他者から受け取る印象や自分の内面の変化として感じられる、目に見えない力でもあります。生きているか否かに関わらず、あらゆる存在が発するこの目に見えない力とは、一体何なのか――この問いが、私の表現の中心にあります。

僧侶の祖父と建築家の父という、自然を深く愛するふたりに育てられた私は、「見えないもの」を感じ取る感性を育まれました。それは、幽霊や妖精のようなものではなく、季節の微細な変化、生き物の気配、光が生み出す形といった、静かに世界を形づくる存在です。私は写真を通じて、それらの存在をより強く意識するようになりました。

私の目が向かうのは、生き物のしぐさ、空気の移ろい、光の軌跡――そして、それらの奥にある生命力や存在感です。やがて、これらのエネルギーこそが世界を構築しているのではないかという実感に至りました。

このプロジェクトでは、被写体の行動や状態をそのまま写し取ることを大切にしています。演出や操作は行いませんが、「どのように写すか」という点には私の表現を込めています。動物が走る、種が落ちる、球が転がる――私はただそれらを受け止め、写真というメディアに定着させる方法を探りました。

現代にはすでに無数の表現が存在します。そこで私は、見た目ではなく「熱」や「動き」に注目することで、生命のエネルギーを可視化できるのではないかと考えました。熱を映し出すサーモグラフィーカメラを使えば、行動や感情の変化が視覚化され、私たちが通常目にする姿とは異なる命の様相が立ち上がります。

その映像は、記号的で、どこか不思議な感触を持っています。だからこそ、被写体そのものの情報に左右されることなく、純粋なエネルギーに触れることができるのではないかと思いました。私は、生き物以外の存在も同様に記号的にとらえるため、長時間露光やストロボ、フォトグラムなど、写真に特有の技法を用いました。

そうして生まれたイメージには、光と影が生み出す空間や関係性、あるいは生命体や宇宙のような姿が浮かび上がっています。それぞれの被写体が持つ存在感と内包するエネルギーが、そこに響き合っているのです。

世界は、驚きと不思議に満ちた場所です。動の中の動、静の中に潜む力、異なる存在が互いに響き合いながら構築するこの世界の美しさを、写真を通して伝えられたらと願っています。