𠮷田 多麻希
ビジュアルアーティスト
野生生物や自然という鏡を通し、そこに投影される人間の存在とその営みを見つめている。創作の主眼は、単なる自然界の美しさの記録ではない。他生物との関わりの中に人間の生や思考、感情がいかに映し出されているかを観察し、その関係性の断片から、現代社会の構造や人間存在の本質を問い直すことにある。それは、環境問題を遠く離れた客観的な事象として論じるのではなく、私たちの日常に潜み、見過ごされがちな「微細な繋がり」に焦点を当てる試みである。
近年のプロジェクトでは、生活排水を用いたフィルム現像により日常と害獣問題の地続きな関係を表現した作品や、ダゲレオタイプを用いて事故死した生き物を原寸大で定着させたロードキル問題、また、土地の素材を漉き込んだ和紙を用いて地域の記憶や歴史を継承するプロジェクトなどを展開。これまでに、KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 メインプログラム、アルル国際写真祭 アソシエイトプログラムなどで作品を発表している。
人間と自然が織りなす視覚的な物語を紡ぐため、デジタルやフィルム、さらには実験的・古典的な印画技法など、コンセプトに応じて多様な手法を選択し、表現を追求。これらの活動は単なる悲劇の記録にとどまらず、人間の無意識な行動や思考パターンを浮き彫りにすることで、人と自然の間に「新たな均衡」を見出す可能性を模索し続けている。
- 2024
- KYOTOGRAPHE京都国際写真祭 International Portfolio Review Ruinart Japan Award
- 2021
- KYOTOGRAPHE京都国際写真祭 KG+SELECT / GrandPrix 「Negative Ecology」
- 2019
- キヤノン写真新世紀 / 優秀賞 椹木野衣選 「Sympathetic Resonance」7th International MarianneBrandt Award / FinalistKYOTOGRAPHE京都国際写真祭 International Portfolio Review Award / Finalist Christiane Stahl and Sonia Voss 選
- 2025
- 土を継ぐ- Echoes from the soilKYOTOGRAPHE京都国際写真祭 / TimesKyoto, Japan
- 2024
- 日目Live Art GalleryTokyo, Japan
- 2023
- Brave New World東條写真研究所Tokyo, Japan葬斂229GALLERYTokyo, Japan
- 2026
- 閾 ─ 揺らぎの像RPS京都分室パプロルKyoto, Japan
- 2024
- Wonder Mt.FUJI東京都写真美術館Tokyo, JapanTRANSCENDENCEArles ASSCIE 2024Arles, France
- 2023
- CP Les Alchimistes du sensibleFisheye GalleryParis, France
- 2022
- 10/10 現代日本女性写真家等の祝祭KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 HOSOO GalleryKyoto, Japanicon Contemporary photography IIAXIS GalleryTokyo, Japan
- 2021
- KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 KG;SELECT三条両替町ビルKyoto, Japan
- 2020
- T3 PHOTO FESTIVAL TOKYOTokyo, Japan
- 2019
- CANON New Cosmos of Photography Exhibition東京都写真美術館Tokyo, Japan